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内視鏡検査前に大腸をキレイに洗い流すコツはあるのか?
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ズバリ、あります。

 検査をしている最中に、残っている内容物を見て、「あー、まだこんなに残っているんですね。」と言われる患者様がいます。

 しかし、いくら大量の下剤を飲んでも、便やカス(残渣:ざんさ:残っているもの)や、液体が皆無になることはありません。最終的に、固形物の無い、色のうすい液体になっていれば、洗浄は「完了」となります。液体はいくら残っていても全く問題ありません。

 ちなみに、なぜ液体が残るのかというと、腸の洗浄とは、押せば出る「ところてん」を考えてみて下さい。「前半」に飲んた水は、それまでに食べた食事の内容物を押し出します。「中盤」に飲んだ水は、前半に飲んだ水を押し出し、同様に「後半」に飲んだ水は、中盤に飲んだ水を押し出すのです。

 ならば、「後半」に飲んだ水は、誰が押しくれるのでしょうか?誰も押してくれません。ですから、検査中に腸内に残っているのです。結果的にカスのない「液体」になっていれば、内視鏡で水分は簡単に吸引できますので、液体に関しては、いくら残っていても構わないのです。

 さて、これから本題に入ります。どうすれば、キレイな状態で検査を受ける事ができるのでしょうか?

 洗車をするとき、スキー場帰りのひどく汚れた車と、そんなに汚れていない車では、もちろん、前者の方が水を大量に消費します。ここでいう「汚れ」とは、腸内にある「便の量」を意味します。便の量を減らすには、誰でも思いつくと思いますが、「検査の前は食べる量を減らす」という事になります。

 また、食材によっては、消化されにくく、形として腸内に残ってしまうものもあります。例えば「こんにゃく」に関して言えば、飲み込んだそのままの姿で大腸内でお目にかかります。

 ですから、残りやすい食材を排除した「低残渣食」を考慮した上で、さらに食べる量を減らす必要があるのです。

 ちなみに「このような食材は腸内に残りやすいので、検査前は控えて下さい」という説明を、各医療機関で内視鏡検査の予約をした際に、看護師などから詳しく説明があったり、薬剤を販売している製薬会社が発行している小冊子をもらう場合もあります。

 しかし、私も目を通しましたが、もう少し詳しく書かれていた方がよいと思ったので、別のページを設けましたので、大腸内視鏡検査前の理想的な食事内容は、こちらのページをご覧になって下さい。

 さて、ならば、説明された通りに前処置をすれば、みんなキレイになるのでしょうか?




 それが「No」なので、このページを立ち上げた訳です。

 「説明された通りにしてきたのに、検査中は意外と便が残っていた」という事は決して珍しいことではありません。

 当院では5種類の下剤を扱っています。各薬剤とも長所・短所がありますが、こっちの下剤よりも、こっちの方がキレイになるとか、比較のような形になっていますが、結論から言ってしまえば、「どの下剤も十分にキレイになる洗浄力はある」のです。洗浄力で比較するよりも、個人に合った「飲みやすさ・味の好み」で選ぶべきだと私は思います。

 洗車の話に戻ってしまいますが、汚れの量が圧倒的に多ければ、どんなキレイな水で洗っても、限られた水の量では、洗浄しきれないのは当然です。では、どのタイミングで低残渣食に変更すればいいのでしょうか?

 これから説明する方法は、あくまでも、「糖尿病や腎臓病などの疾患がなく、特に日常生活においても、食事に制限などを受けていない、一般的に健康的と言われる方」に対しての方法ですので、ご了承下さい。

 突然ですが・・・。

①「今日は間食をナシにして下さい。食物の摂取は朝昼晩の3回だけ。おやつ、夜食など一切ナシです。」
②「今日は、夕食は抜きです。水分はOKです。空腹でも寝て下さい。」


 同時にと言っている訳ではありません。一日だけです。どちらかだけです。あなたなら、できますか?

 「これくらいならできる」と思った方には「低いハードル」でしょう。ですが習慣的に間食をしている人にとっては、とても高いハードルに感じる方もいるかと思います。
 恐らく、身長に対して、基準と言われる体重をオーバーしている程度が高ければ高いほど、ハードルを高く感じると思います。

 「一日だけの話でしょ?それならできるよ!」と思われた方なら、これから説明する「腸(超)キレイ法」を受け入れられると思います。ただし、あくまでも、無理をしないで下さい。



 「マグコロールP」・「モビプレップ」・「ビジクリア」・「サルプレップ」で、当日の早朝に飲んでもらうタイプの場合

 検査の前日は「間食ナシ」で、昼食、夕食は低残渣食に変更して下さい。その日の朝食はパンとコーヒーというような、炭水化物だけなら、なお良いです。間食ができない分、限られた食事の機会に沢山摂取する事はもちろんNGです。

 前日と当日に下剤を飲むタイプの「ピコプレップ」の場合

 前日は間食ナシで、朝食は炭水化物のみ、昼食も低残渣食にして、夕食はナシで前日分の下剤を飲んで下さい。翌朝も決められた量の下剤を飲んで下さい。
 これが実行できれば、かなり腸はキレイになると思います。私自身、「ハードル」はあまり高く感じなかったので、この方法を自ら経験しましたが、全く残渣はありませんでした。



 以上の方法は、病院から説明された内容や、小冊子に書いてある内容とは異なるものになっています。つまり、「より厳しい内容」になっているのはご理解いただけると思います。

 ですから、繰り返しになりますが「合併症の無い、食事制限などを普段から受けていない方」に限っての話であることをよく理解して下さい。全ての患者様に実行できるものではありません。前処置中に、あまりにも空腹な場合は、「飴」などでごまかすのもアリです。

 大腸内視鏡検査というのは、一生に一回受けたらおしまいではありません。胃カメラのように、定期的に受ける事が推奨されている検査です。胃カメラの前処置は「朝食なし」だけですが、大腸の場合はそうはいきません。検査の回数を重ねる事で、「前回は便が残っていたから、今回は失敗しないようにしよう!」と考えるのは当然です。ならば、前回とどこを変更すべきなのでしょうか。

 まず、前回の下剤が飲みにくかった場合や、吐いてしまった場合は、別の下剤に変更するのが良い方法だと思います。自分の口にあった下剤を選ぶ事は非常に大切です。吐いてしまったのでは、下剤の効力が発揮できません。

 前回の下剤は飲みやすかったけど、キレイになっていなかった場合は、上記のような「トライ」をして、腸内の内容物を少なくする努力が必要であると思います。ここで非常に大きな問題として、「個人差」があります。人間は機械ではありませんので、同じ食事をして、同じ下剤を飲んでも、同じ時間に、同じ量の排泄はありません。




 「個人差」とは、年齢、性別、身長、体重などの体格、腸の長さ、お腹の手術の既往の有無、普段の排便習慣、人種など、様々な要因があります。腸は筋肉で動いていますので、人間だれでも年齢とともに手足の筋力が低下するのと同様に腸の筋力も低下します。昔のように早く走れなくなるのも、昔のように、いい便通が無くなるのも、同じ意味なのです。

 検査の経験を重ねていく上で、前回の洗浄状況に改善の点があれば、その都度変更を加えていき、最終的には「自分にはこの下剤が合っていて、これくらいの食事と量にすれば大体キレイになる」という基準を構築することが大切です。

 そうすれば、より精度の高い検査を受ける事が可能となります。この「基準」とは、個人差の上に 成り立っているので、全ての人に共通して言えるような、統一した「こうすればキレイになる」という方法はありません。また、年齢によって便通は変化しますので、さらに改善を加える必要が出てくる事もあります。

 最後になりますが、どうあがいても、キレイにならない人もいます。「憩室症」と言って、悪性の病気ではないのですが、腸の表面にポリープとは逆に「ポケット」のようなくぼみができます。ここに便がはまり込んでしまうと、その上にいくら下剤が流れても、排泄されません。

 また、正常な状態よりも、憩室の多発する部位は腸の直径が細くなるため、洗浄効果も、憩室のない人と比べれば低下します。でも、これは仕方ないので、あくまでも、排泄された便の状況が「うすい黄色の液体」になる事を目標にして、自分に適正な量を把握して下さい。

 先日、あまりキレイに洗浄されていなかった50代の女性の方がいらっしゃいました。その理由は「どうせ下剤を飲むんだから、全部出ちゃうだろうし、食事の内容も、量も全く気にせず食事して、下剤飲んできた。」とのことです。また、70代の男性で、前日の昼食に、ワカメの味噌汁に、ヒジキを食べまてきました。案の定、腸内は多量の残渣がありました。

 これでは、何のために説明しているのか、全く無意味になってしまうのと同時に、詳細に大腸の表面を観察する事もできず、病気の見逃しに直結します。このような状況では、視野が悪く、洗浄しながら進めないといけません。

 時間もかかりますし、患者さん側も検査自体の時間も延長し、苦痛を強いられる事になるのです。

 つまり、病気の発見率の低下を招く事になるのです。このような悪条件の検査であった場合には、「大きな病変はありませんが、小さい病変まではわかりません。」とハッキリと説明しています。

 このような説明をされて、誰が一番不安になるかというと、検査を受けている本人です。何のためにわざわざお金と時間を費やし、下剤を飲んで検査を受けているのか、人に言われたから検査を仕方なく受けているのか、そもそも「誰の為の検査なのか」を考えて頂ければ幸いです。

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