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男性、女性で、なりやすい痔の種類が違います。
どのような違いがあるのでしょうか?

 当然と言っては当然なのですが、意外と知られていないので、ここで解説します。

 痔の種類は大きく分けると次のように分けられます。

 ①膨らみ(いぼ)があるいわゆる「イボ痔」 = 「痔核・脱肛・肛門脱」
 ②切れていて、いつも痛い「切れ痔」 = 「裂肛」
 ③膿が溜まって、破裂したあとの「あな痔」 = 「痔ろう」


 さて、このような痔の種類がある中で、どのような要因で性別による病気の差が出てくるのでしょうか?

 これからお話する内容は、あくまでも「傾向」であって、男性だから女性だからこうなるとかならないとか、断定的に述べているのではない事をご理解ください。

 さて本題に入りましょう。

女性がないやすい痔とは何でしょうか?


 最も多いのは「いぼ痔:約 60%」です。次いで、切れ痔が約 15%、痔ろうが 5%程度です。

 まず一番大きな差は、「妊娠・出産」が挙げられます。約一年もの間、体に大きな変化が加わる時期ですので、肛門も大きな影響を受けます。

 実に、妊娠中に患う痔の80~90%はいぼ痔です。他のページでも述べましたが、痔核というのは、静脈のかたまりです。肛門周囲から血液が静脈によって心臓に戻る途中に、大きな子宮によって静脈が圧迫される事により、静脈血の戻りが悪くなり、いぼ痔が悪化する事が知られています。

 また、大きな男女差として、大腸の長さの違いです。大腸は、小腸から流れてきた下痢便の水分を吸収して、固形にするのが大きな働きですが、その大腸の長さに実は性差があります。

 平均的に男性よりも女性の方が大腸が長いのです。つまり、便の道のりが長いので、「便秘症」に悩まされるのが多いのは女性です。

 腸が長い事によって便が固くなり、これを出す時に肛門が過度に進展せざるを得なくなり、肛門の一部が切れてしまい、切れ痔を発症します。「ランチ」で話が盛り上がる中、便秘が話題になるのは大抵女性です。まず、男性でそのような話題になることは殆ど無いのではないでしょうか。

 また、このような便秘は、一時的なものではありません。症状の始まる次期は個人差ですが、高校生の時から、出産してから、〇〇歳くらいから・・・などという事を訴えている女性が、その症状に悩み続けてすでに10年以上経過している人も少なくありません。このように、慢性的な便秘に悩まされている「慢性便秘症」が多いのも、女性の特徴です。

 慢性的な便秘症の人の 6割以上には、切れ痔があるという統計も出ています。

 また、過度なダイエットをする方もリスクを伴います。食事の摂取量が減る事により、排便が何日もなく、硬い便を出す事から、切れ痔を発症する場合もあります。何にでも言える事ですが、「極端」な事はよくありません。栄養バランスをよく考えた上で、その身長に見合った体重をキープしていくことが大切です。

では、男性ではどんな痔が多いの?

 最も多いのは、やはり女性と同様に「いぼ痔:約 50%」です。そして女性に多かった切れ痔は約 10%程度で、それよりも多いのが、「痔ろう:約 20%」です。

 男性は腸が平均的に短いので便秘症の割合も少なく、硬い便を出す習慣の人が女性よりも少ないため、切れ痔(裂肛)の割合が少なくなります。

 また、妊娠・出産の経験をする事がないので、女性よりも「いぼ痔」の頻度は当然低下しますが、いぼ痔は、様々な要因で生じるので、やはり男女とも多くなっています。

 特に男性では、排便の際に長くトイレにこもる傾向が女性よりあります。「全部出したい」という気持ちはわかりますが、それが、「長時間いきむ」という事になり、これが「いぼ痔」を成長させる最も大きな要因です。排便の時間は長くても 5分程度として、出ないようなら無理をせず切り上げるのも大切です。

 入浴習慣にも影響があり、湯舟につからずに、シャワーだけで済ませている場合もリスクが上がります。お風呂で温まる事によって、肛門周囲の血流がよくなり、うっ血が改善して痔のリスクは低下します。ぜひこの習慣を取り入れてください。

 さて、その中で、男性では「痔ろう」の割合が女性よりも多いのが特徴です。痔ろうとは、肛門の周囲にたまった膿が皮膚を破って排膿される事によって生じる病態です。

 男性の場合、暴飲暴食などによる過度な排便、飲酒による下痢傾向の排便、仕事で不規則な生活から入浴などがおろそかになり、肛門周囲などが清潔に保てない、糖尿病などで感染症のリスクが高くなったりと、様々な要因で、肛門の周囲に膿が溜まる可能性が女性よりも多いので、痔ろうが男性に多いという事になります。

乳児の痔ろうの差は?

 実は、0~1歳の乳児にも肛門の周りに膿が溜まって、「痔ろう」になる事があります。大抵は、オムツを取り換える時に親が発見します。

 しかし、この男女差は驚くことに、ほぼ100%男児です。理由ははっきりとしておりません。学会などの発表をみても、まず、女児の痔ろうというのは殆どなく、もしあったら、症例報告モノになるくらいです。

 ちなみに、この時期に痔ろうを発症した場合、積極的な治療(手術)は行いません。それは、大人で発症した痔ろうとは違い、大人になるまでに自然治癒(消失)する可能性があるからです。

 原則的に「痔ろうは治らない」というのは、大人に発症したものであって、乳児痔ろうは、治る事があるので、大人になるまで経過をみるのが殆どです。

 もちろん、稀に、乳児痔ろうが治らず、大人になってから、肛門周囲膿瘍を発症してしまうケースもありますし、大人になってから発症した肛門周囲膿瘍で、排膿したにも関わらず、痔ろうがはっきりとしないほど、キレイに治って(消えて)しまう方もいます。

 治癒しているのか、いないのか?それは、素人ではわかりません。他科の医師は当然として、外科医であっても、この領域に精通している医師でなければ、手術の必要性の有無を正確に判断はできないと言っても過言ではありません。

 痔ろうは10年以上放置すれば、確率は低いですが、稀にがんになるケースもあります。過去に膿を出した経験のある方は、ぜひ、この領域を専門とする医師に一度診察してもらい、治療の必要性を判断してもらって下さい。

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