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ポリープ切除を開始しました!
しかし、切除後のリスクや時間を考慮して、
小さいサイズに限らせて頂いております

 せっかく大量の下剤を飲んで、何度もトイレに行って、大腸をキレイにして受けた内視鏡検査。その時に見つけたポリープをその場で切除してくれれば、どれだけ有難いか…と思うのは当然の事です。

 当院では、切除後に合併症を伴う可能性の低い病変の切除は行っています。しかし、「ある程度の大きさ」を越えたポリープに関しては、切除は行っておりません。これは、程度こそ異なりますが、一般的に言われる大きなポリープは、入院が必要になりますので、その大きさや形態によって判断されます。

 ホームページを読んで、「ポリープを切除している」と書いてあるからと言って、「どんな大きなポリープでも切除してくれる」と解釈してはいけません。実際に受けてみたら、切除が必要な病変が見つかっても、「後日入院してから、あるいは、入院施設のある医療機関で治療しましょう」と言わる事は珍しくありません。

 「その場で切除してくれないのですか?」と聞いても、答えは「No」となるケースがあります。なぜでしょうか?最も大きな理由は「安全第一」を優先するからです。安全を優先して、否定的に思う方はまずいないと思います。

 つまり「安全」とは、ポリープ切除後の合併症(出血)に緊急に対応できる、「入院してポリープを切除する」という個々の医療機関の方針があるからです。

 発見された時点で、すぐに入院できる状況にあればよいのですが、病室が確保できない、本人が入院の心構えで検査を受けていない、という状況での検査ならば、後日、同じ医療機関で、もう一度下剤を飲んで、次回は「入院」という体制を整えてから切除しましょう、という事になる場合もあります。

 もし、切除が必要な病変が発見された時に、どのような対応をとってくれるのか、検査を受ける前に、しっかりと聞いて納得してから検査を受ける必要があります。

 ポリープの切除は、サイズが大きいほどリスクが増大し、時間を要します。当院では、「安全性の高い治療を提供したい」という理由で、小さなポリープに限らせて頂いております。

 少し大きなポリープに関しては、入院が必要ないとしても、専門的に内視鏡治療を行っている、近隣の高い技術を持っている専門医に治療をして頂いて頂いております。

 当院では午前9時から90分程度で、一つのブースで(つまり「縦」に)1人の医師が4人の検査を行います。恐らく、大腸内視鏡検査に従事している方なら理解できると思いますが、そんなに短時間でできるの!?と驚かれる数だと思います。4人の患者様には、大体の検査の進行状況によって、分単位で来院してもらう時間をずらして頂いています。

 大きめのポリープの切除には多かれ少なかれ時間がかかります。それが、ポリープの数や、件数によって、時間オーバーすると、「9時30分に来てください」という説明をしたにも関わらず、開始時間が大幅に遅れたりする事態が生じます。その後の患者様も数人が同様に待たされる事になります。一人の患者様の治療に、後の数人の検査開始の時間が全て遅れる事になるのです。

 これまでの経験上、100人検査をすると、十中八九は異常ありません。逆に外科的手術が必要とされる大腸がんが3~4人います。という事は、その間に位置する「内視鏡的な治療が必要な人」は、10%いません。10人に1人いるかいないか、という数なのです(下図参照)。


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【解説】
 何の治療の必要もない人は80~90%(青)。
 外科的な手術による治療が必要な人は3~5%(赤)。
 内視鏡で治療ができる人が10~15%(紫)
 さらに紫の中でも、ポリープのサイズや、数などが多く、内視鏡で切除が可能であっても、入院を勧められる人(濃い紫)。
 最後に残された(※)マークの部位に当たる人が「その場で切除してくれれば、ありがたい」と思う人(薄い紫)。
 つまり、※マークの人のポリープを切除するとで、他の全ての患者様を待たせてしまう事になります。
 最終的に、全体から見た※の割合は1割いるか、いないかという程度になってしまうのです。




 その薄紫の1人の為に、後に検査が予定されている3~4人が「犠牲」と言っては言い過ぎかもしれませんが、待たされる事になります。

 どうしても、自分が切除してもらう立場なら、治療してもらいたいという気持ちもわかりますが、待たされる立場になってしまうと、その立場も理解できます。全ての人に満足いく検査を行う事は非常に困難で不可能です。個々の医療機関がどのようなスタイルで検査を行っているかをきちんと確かめてから検査を受ける事が大切です。

 当院の大腸内視鏡検査のモットーは、「2年に1度くらいなら定期的に受けられる、短時間で、1人で来て1人で帰れる、待たされずに、時間の束縛をされない、痛みが最低限な、家族や知人に勧められる大腸内視鏡検査を提供する」ことです。しかし、ポリープを切除することによって、待たされてしまえば、その日に検査を受ける3~4人には上記のような検査が提供できなくなってしまいます。

 医療従事者が一番心配するのは、切除後の合併症(術後出血)です。ポリープを切除すれば、粘膜に欠損部位ができます。切除したその時に出血が無かったとしても、数時間、あるいは数日経過してから、便意が出現して、出してみたら、便器の水が真っ赤になった!などという話は、決して珍しい話ではありません。

 そのまま放置すれば、出血多量で大変な状況になるかもしれません。中規模~大規模病院においても、内視鏡切除が可能なポリープが発見されても、その場で切除せず、安全第一を考慮して、後日入院してから治療する医療機関は珍しくありません。

 もし、ポリープ切除を入院施設の無い診療所、クリニックで行い、そのような大量出血の状況に直面したとき、救急車を呼んだり、大腸内視鏡検査ができる医師が当直している病院を探さないといけなくなったり、最悪の場合、病院のたらい回しの主人公になってしまう可能性もあるのです。

 小さなポリープ切除が最も安全です。入院施設があっても入院せずに治療する場合や、入院設備のない医療機関で切除する場合は、夜中でも出血などの緊急事態に見舞われた時に、連絡先などを事前に教えてくれて、きちっと対応できる準備が整っている医療機関で検査を受けるのが大切です。

 合併症もなく終われば文句を言う人はいませんが、合併症は0%ではないので、我々医療従事者は常に合併症を発症した患者様に遭遇する可能性があるのです。そのような患者様の数をいかに減らすかが我々の課題です。

 ポリープ切除に時間を費やすと、後の人を待たせているという気の焦り、時間に追われるような治療は、操作が煩雑になり、内視鏡の挿入に苦痛を与えたり、予期せぬ医療事故などを招いたりする可能性があります。

 これらの理由から、当院では、「安全な医療」を提供するために、ごく小さなポリープ切除しか行っておりません。ご理解頂けたでしょうか。もし、どうしてもその場で切除して欲しいという希望があっても、全ての切除はできません。

 当院での切除範囲を超えるような病変が発見された時には、その数、大きさ、位置、挿入難易度、他の病気の有無、お住まいなどの地理的条件なども考慮して、最良の医療機関を紹介させて頂きます。
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