★ ベビーベットを用意しました ★ 台数に限りがありますので、予約をして下さい |
妊娠を契機に痔を悪化させてしまうことは医学的に明らかです。痔と言ってもたくさん種類があるのですが、妊娠に関連して悪化する痔とは、いわゆる「いぼ痔」です。「肛門の周辺に何かデキモノができた」という訴えが最も多くなります。なぜでしょうか?
妊娠で悪化する「いぼ痔」の本体は、血管(静脈のかたまり)から構成されている、「内痔核、脱肛、肛門脱」と言われるものです。人間は二本足で直立していますので、肛門まで送られてきた血液は、重力に逆らって心臓に戻っていくことになります。これだけでもいぼ痔の発生のリスクになりうるのですが、妊娠中というのは、その心臓に戻る血管が圧迫されることによる血流の妨げによるものです。
妊婦さんの大きなお腹の本体は当然ですが子宮です。その中には数キロの胎児と、羊水、そして胎盤が収納されています。あれだけ大きなモノがお腹の中にあるのですから、周囲の臓器は圧迫されます。心臓に戻る静脈も当然圧迫され、多かれ少なかれ静脈血の還流障害が生じます。その血液のうっ滞によって生じた肛門の出っ張り、「いぼ痔」です。
このような理由から、妊娠によって痔が悪化する事は容易に想像できるので、もし、気になるような痔があるのなら、妊娠前に治療をしておきたいものです。
しかし、実際問題として、妊娠前に「痔があるから治療しておきたい」と言って受診する方は正直少数しかいません。その理由は、「恥ずかしいから」とか「仕事が忙しいから」がほとんどでしょう。
そして、いざ妊娠したら、だんだんお尻の一部が膨らんできた!?などの症状が現れてきます。お腹が大きくなるにつれ、静脈血の戻りも次第に悪化するのと並行するように、痔の症状も次第に悪化してくるのです。もちろん全ての妊婦さんがそうなる訳ではありません。
実際のところ、妊娠中であっても、我々の判断で、「これは手術をしてでも、治療をしてあげた方が絶対に楽になる」と思った場合には、手術を勧めます。
しかし、その緊急性が低い症例、つまり「わざわざ妊娠中に、リスクを背負ってまで手術をして治すほどのもではない」と判断されるような場合は、出産を待ってから治療を勧める場合もあります。
そして、どうにか無事に出産を終えて、ちょっと落ち着いてから治療しよう!と思っていても、この「落ち着いてから」がクセ者で、いったいいつになったら落ち着くんじゃ!?という事になります。
主産後は24時間、子供とつきっきりで、自分の事もろくにできず、子育てに専念しざるをえない状態になります。結局、結局治療のタイミングを逃してしまった…。というのがよくあるパターンです。
しかし、いくら育児で忙しく、自分の時間が取れなくても、お尻のイボがどうしても気になって、子育ても当然だけど、この痔がどうしても邪魔!!と感じる方もおります。そのような方に朗報です。
当院は小さなお子様をお持ちの方にも安心して入院生活を送れるように、ベビーベットを完備しております。
ご利用は個室(201~206号室)限定とさせて頂いております。お子様と一緒に入院できますが、ご利用になる際、手術中など、どうしても子供と一緒にいられない時間が生じますので、必ず子守ができる方(夫、親など合計3人以上)と一緒に来院して下さい。
ベビーベットは一台なので、ご利用が希望の方は入院予約の際に、その旨を申し出て下さい(1入院につき、1,100円)。
個室にベット設置 (ちなみに彼は平成15年生まれ) |
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これなら、お母さんも安心して入院生活が送れます。
後方に見える緑色のソファーは背もたれを倒して簡易ベットとしても利用できるので、自分の親と子供、あるいは、夫と子供といった具合に、3人で泊まることもできます。なお、ベット以外の必需品(哺乳瓶やミルク、オムツの類)は、各自で用意をお願いいたします。
「小さな子供と一緒に入院して、まさか自分の痔が治療できるなんて!」という環境を提供いたします。
産後、こんな(子育て)状況では、治療なんて出来ないのではないか?と想像だけで思っている若いお母様、まずは、ちょっと勇気をだして受診してみてください。個々のニーズに沿う治療法が提供できればと思っております。