トランスルーセント・グラスキャット / Kryptopterus bicirrhis



 水温:24〜27℃
pH:6.0〜7.5
水質:中硬水

分布:タイ
体長:8cm
 
 一見珍しい、全身透明の体ですが、ポピュラーなアジア産小型ナマズの仲間です。なんといっても見た目が興味深く、価格も安価なため、古くから人気があります。

 体が透けて見えることで有名な魚で、初めて見た人はかなり驚くと思われます。現地では水の透明度の高いところに住んでいるそうで、透明な体は保護色としての役割があると言われています。

 内臓が頭の後ろまで、コンパクトにまとめられているのも特徴的です。観賞魚として流通するナマズの中では、最も有名なもののひとつで、コンスタントに輸入されています。

 また、ナマズ類の中ではめずらしく、群を作って行動します。水槽内でも群で中層に定位して、縄張りを確保して、いつも同じ場所で、同じ向きを向いて、群れをなして泳いでいるのをよく見かけます。

 性質は非常に温和で、本種に攻撃してこないあらゆる魚との混泳が可能ですが、本種のほうが長いひげを切られてしまったりと、被害者の側になってしまうことがあります。

 水草を傷めることはまずなく、水草レイアウトにもよく似合います。長いひげを前方に伸ばし、ゆらゆらと泳ぐ姿は涼しげであり、見ていて飽きず、光のあたり具合で体がブルーに輝いて見えることもあり、時に美しい光景を見せてくれます。

 丈夫で生き餌を好んで食べますが、人口餌などのフレークフードなどもよく食べます。ナマズ類では珍しい昼行性で、長いひげに餌が触れると、突発的に飛びつくように食べます。

 繁殖行動については、ほとんど何も知られておらず、水槽内での繁殖例はほぼ皆無らしいです。白点病になりやすいこともあり、比較的高めの水温で飼育するとよいとされており、体調が悪くなる、固体の高齢化などで透明度が落ちてきて、体が白濁してきます。