ラスボラ・ヘテロモルファ /Rasbora heteromorufa



水温:22〜26℃
pH:5.0〜5.5
水質:軟水

分布:マレー半島
体長:3.5cm
 
 単にラスボラといえばこの魚をさすほどポピュラーで、熱帯魚店でも必ず見られる種類です。小型種で、橙色の基調色に黒い楔形の模様をもつ体色が非常に美しく、性質もおとなしく、丈夫で飼い易い、と3拍子そろったアクアリウム・フィッシュと言えます。

 人気種ゆえ、毎週コンスタントに輸入されており、価格も手ごろで、非常に求めやすく、あらゆる面からみて、初心者にもうってつけの魚です。

 橙色に黒い楔形の体班をもつタイプのラスボラ類は、ヘテロモルファ種を筆頭にいくつかいますが、いずれも総じて小型で、アクアリウム・フィッシュとして向いています。

 成長しても3cmほどと小型のため、比較的小型の水槽から飼育が楽しめ、性質も非常に温和なため、彼らを食べてしまうような魚でなければ、混泳できる魚の種類も選びません。

 姿のよく似たテトラ類や、ドワーフ・シクリッド、産地が類似するアナバンテッドなど、問題なく同居させることができ、よく群れを作って移動する様子が見られるため、10匹、20匹といった単位でアクアリウムに導入して、その群泳を楽しむ事もできます。

 より積極的にこの魚だけをメインにして多数群泳させたアクアリウムを構成するのもおもしろいかもしれません。

 コイ科の魚ではありますが、水草を食べる性質も無いため、それらを美しく密植したレイアウト水槽にも向き、そのような水草を植えこんだ水槽では、彼らの好む弱酸性の軟水といった条件を維持しやすいため、魚にとっても好適な環境が保てます。

 餌はイトミミズ、アカムシといった生き餌から、フレークフードをはじめとした人工飼料まで、何でもよく食べ、特に色揚げ用に開発された人工飼料は彼らの持つ本来の美しい体色を維持するために効果的です。

 ただし、単一の餌だけを与え続けるのも考え物で、できるだけバラエティを持たせた給餌を心がけたほうが、体形や体色などを良好に保つ意味で効果があります。

 水槽内での繁殖も不可能ではありませんが、水質の調整や孵化した稚魚の育成などの面で、かなり難しいところがある種類です。雌は雄にくらべ、腹部がふっくらとしてくるので判別できます。