カージナル・テトラ / Paracheirodon axelrodi



 水温:24〜28℃
pH:5.0〜6.0
水質:軟水

分布:ネグロ川
体長:4cm
 
 ネオン・テトラにとても似ていますが、腹部の色で区別できます。

 ネオン・テトラは腹部の後方から尾柄部にかけて赤色ですが、カージナル・テトラは、腹部、尾柄部と下半分の全体が赤く染まっています。

 その赤色部分や、また鼻孔から脂ビレ(尾ビレと背ビレの間にあるヒレ)まで一直線に走るブルーのラインが、ネオン・テトラよりも濃くて美しく、ゴージャス感をかもし出しています。

 飼育は特に難しいことはありません。適した水質は濾過のよくきいた弱酸性の水に適し、水温はやや高めの28℃くらいが餌食いもよくなります。

 性質は非常に温和で、混泳に適しています。ちょっとシックなブラック・ネオンや、ブラック・ファントムなどと混泳させて対比してみるのもなかなかいいかもしれません。

 また今人気の水草レイアウト水槽にもこれほどピッタリ合う魚は少なく、多用されています。

 原産地は南米ネグロ川流域で、現在日本に輸入されてくるカージナル・テトラはブラジル、コロンビアからの直行便とヨーロッパや米国経由で入荷する便との2つに分けられています。

 前者は現地にて採取されたものが直接日本へ輸入されるため、魚の到着状態が不安定で、出荷前のストック時の状態や魚の梱包の仕方などにまだ問題があったり、何より飛行機に乗っている時間が長く、水温が低くなってしまうという難点があります。

 しかし、それ以上に直行便の魅力もいっぱいあり、直接入荷するので運賃など経済的、カージナル・テトラとともに混じって他の種の”珍カラ”が一緒に入っていることが多いなどの楽しみもあるようです。

 コロンビアからの直行便では、時折まとまって、やや体高があるブルーのラインの短いショートライン・カージナル・テトラと呼ばれるタイプのもが入荷する事もあります。

 普通種のものより入荷が少なく珍しいですが、やや色彩的には見劣りする場合もあります。しかし普通種より入荷状態はいつでもよく、比較的丈夫で死亡率の低い魚です。

 カージナルの繁殖に関しては、やや難しい部類に入ります。よく成熟した健康な雄雌を育てることから始まりますが、産卵後孵化した稚魚をブラインシュリンプを食べる大きさまで育てるのが困難です。

 水草のたっぷり入った大型水槽の中では、自然に産卵し稚魚がいつの間にか泳いでいることがあります。繁殖させようとせずにして稚魚が得られる場合もあります。